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研究ブログ【コラム】#383

こらむ・マグロ所長

LIBORが今月末で廃止です。お疲れさまでした。

こらむ

 

 

 

LIBORが今月末で廃止です。お疲れさまでした。

 

 

 

どうも、こんにちは。

 

 

 

マグロ所長です。

 

 

 

国際金融市場でおよそ半世紀にわたり融資などの指標金利として使われてきたロンドン銀行間取引金利(LIBOR)が、今月末廃止されます。指標が銀行によって意図的にゆがめられないようにして、金融の安定性を高める狙いで運用されてきました。

 

 

 

主要国はドルや円など通貨ごとに自国での実際の取引に基づく新指標金利に移行し、透明性、信頼性の向上をめざす新しい市場間競争が始まっています。LIBORがなくなることでの障害はもしかすると多くなるかもしれません。

 

 

 

ただ、指標金利の仕様や、公表時間がばらけることになるため、リスク管理が複雑になり、その分、取引コストの上昇要因になりそうです。

 

 

 

民間主導で効率や利益の極大化を追求してきた金融のグローバリゼーションは、基礎インフラの廃止で歴史的転機になると思います。

 

 

 

LIBORは21年末に円、ポンドなどで廃止され、残るドルについては1カ月、3カ月などのレートが既存契約の利払い用に23年6月末まで算出されるが、新規使用は21年末で停止される予定です。

 

 

 

きっかけは銀行が提示する金利の平均をとって算出するLIBORの仕組みを悪用して、一部の銀行が自らに有利な水準への誘導を企図して金利を提示する不祥事が12年に発覚したのが始まりです。

 

 

 

また、近年、提示金利のベースになる銀行間市場が縮小し、銀行が実取引ではなく、推定に基づく金利を提示する例が増えるなど、操作余地が大きくなっていました。

 

 

 

そのため主要国当局や業界団体は、実取引に基づき、銀行の信用力に左右されない透明で安定した新指標を作成し、ドルは担保付き翌日物調達金利(SOFR)、円は無担保コール翌日物金利(TONA)、ポンドはポンド翌日物平均金利(SONIA)など通貨ごとに新しい指標金利への移行作業が進められています。

 

 

 

利用期限を控えて、当局は神経質になっている。合計400兆ドル(約4京5000兆円)にも上ると言われたLIBORを参照する取引は、資本市場、金融派生商品、ローンなど多岐に及び、新しい指標への移行は膨大な事務(オペレーショナル)リスクを抱える感じですね。

 

 

 

米連邦準備理事会(FRB)など米国の金融にかかわる6当局は、10月20日に「LIBORの廃止に適切に備えられないと、金融安定と金融機関の健全性が損なわれるとともに、訴訟、運用、消費者保護のリスクが生じる可能性がある」と警告しています。

 

 

 

新しい競争は、円滑な移行をする能力の有無日本では、国際市場で利用が多かった円LIBORについて、TONAへの移行が進んでいるが、複雑な仕組債に組み込まれる形で使われているLIBORの円滑な移行は難しく、移行期限が過ぎた後も残る可能性があります。

 

 

 

また、東京市場で取引が多いドルLIBORの新指標への移行は円に比べ遅れがちで、既存取引用に公開が続けられる23年6月までに円滑な移行ができるかが焦点になっています。

 

 

 

金融市場としての競争力ランキング(英シンクタンク「Z/Yen」による、21年9月発表)では、ドル金利の決定権を取り戻したニューヨークが首位の座を守っているのに対し、東京は9位まで後退しています。

 

 

 

市場の基本インフラで旧体制のイメージを引きずった指標を残しながら、透明性を競う市場間競争で地位向上を図れるのか正念場を迎えています。

 

 

 

以上、マグロでした。

 

 

 

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