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研究ブログ【コラム】#314

こらむ・マグロ所長

インボイス制度とは?制度導入の影響や対応策について

こらむ

 

 

 

インボイス制度とは?制度導入の影響や対応策について

 

 

 

どうも、こんにちは。

 

 

 

マグロ所長です。

 

 

 

2019年に消費税が10%に増税されたのと同時に軽減税率が導入され、2021年の時点で2種類の税率があります。これにともない政府は、取引の透明性を図りつつ経理処理がより正確におこなえるよう、「インボイス制度」の導入を決定しました。

 

 

 

インボイス制度は、正式には「適格請求書等保存方式」といいます。2023年10月1日から導入される予定です。インボイス制度では、仕入れ業者が仕入税額控除を受けることができます。ただし、そのためには消費税額や消費税率など、取引に関する情報を記載した請求書を適格請求書発行事業者が顧客や取引先に対して発行する必要があります。

 

 

 

具体的には以下の要件を満たした請求書を交付・保存しなければなりません。

 

 

 

  1. 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  2. 取引年月日
  3. 取引内容(対象品目が軽減税率の場合はそれが分かるようにする)
  4. 税率ごとに区分して合計した額(税抜き又は税込み)及び適用税率
  5. 税率ごとに区分された消費税額
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称印

 

事業者によっては、顧客や取引先から適格請求書の発行が求められるケースが多くなるこが予想されます。

 

 

 

仕入税額控除を受けるためには一定の要件を満たさなければなりません。2023年9月30日まで使用する「区分記載請求書等保存方式」では、一定の事項が記載された帳簿の保存および、請求書に軽減税率対象商品・税率ごとに対価した額の明記と保存が求められます。

 

一方「適格請求書等保存方式」は、帳簿の保存はそのままで、請求書に記載する項目が変わります。具体的には「税率ごとに区分して合計した額(税抜き又は税込み)及び適用税率」と「税率ごとに区分された消費税額」の追加が必要です。

 

適格請求書等保存方式の導入は、売手が買手に対して正確な税率や消費税額を伝えられるため、取引の透明性がより高まります。

 

 

 

課税事業者はインボイス(適格請求書)の発行が義務付けられます。税務署に提出する「適格請求書発行事業者」の登録申請書は2021年10月1日から受付開始です。

 

インボイス制度が始まる2023年10月1日からの登録を受けるためには、原則として2023年3月31日までに登録申請書を提出しなければなりません。課税事業者は受付期間内に忘れずに申請しましょう。

 

 

 

免税事業者は、売上高が1,000万円以下で、消費税納税が免除される事業者のことを指します。課税事業者だけが適格請求書を発行できますので、取引先からの依頼でも免税事業者の場合は「適格請求書」の発行ができません。

 

今後、課税事業者から「免税事業者が取引先だと仕入税額控除を受けられないから取引をやめる」といったことも起こり得るでしょう。そんな事態を避けるために、任意で課税事業者になることも可能です。

 

 

 

インボイス制度が導入されると、課税事業者は適格請求書発行事業者に登録している業者との取引を優先する可能性があります。免税事業者との取引で生じた消費税は控除の対象外のため、課税事業者が負担することになるからです。

 

ただし、インボイス制度開始とともに免税事業者との間の消費税が段階的に廃止されることになりました。具体的には以下のスケジュールになります。

 

・2023年9月30日まで:100%控除

・2023年10月1日~2026年9月30日まで:80%控除

・2026年10月1日~2029年9月30日まで:50%控除

・2029年10月1日から:完全廃止

 

以上のことから、免税事業者は取引の機会がだんだん少なくなることが予想されます。免税事業者は、自身のビジネスの規模などを考慮したうえで、免税事業者のままでいるのか課税事業者になるのかを判断しなければならないでしょう。

 

 

 

インボイス制度についての概要や対応策について解説しました。インボイス制度開始までにさまざまな準備が必要ですので、早めに取りかかることをおすすめします。

 

また、制度導入までに規則が変更になる可能性があります。定期的に国税庁のサイトをチェックして、正しい対応ができるよう準備を進めておきましょう。

 

 

 

以上、マグロでした。

 

 

 

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