こらむ 研究ブログ【コラム】#409 こらむ・マグロ所長 案外日本の市場は安いところにあるんですよね。PBRが1倍を超えてないんですよね。 こらむ 案外日本の市場は安いところにあるんですよね。PBRが1倍を超えてないんですよね。 どうも、こんにちは。 マグロ所長です。 4月に発足する東京証券取引所の実質的な最上位市場「プライム」の実力はどのくらいでしょうか。世界各国を見るとかなり差があるんですよね。 分析したところ、欧米の背中はなお遠いことが分かっています。1社あたりの時価総額は欧米市場の3分の1にとどまり、株価が解散価値割れの企業も4割に上ります。海外マネーを呼び込む魅力に乏しく、再編後も企業の新陳代謝を促す取り組みが欠かせないですね。 プライム市場が欧米市場に比べて見劣りするのはまず、小粒な企業が多いことです。上場企業1社あたりの時価総額は中央値で599億円と、米ニューヨーク証券取引所や米ナスダック証券取引所「グローバルセレクト」の3分の1以下です。 激変緩和措置により小粒な企業が多く残ったため、現行の東証1部(446億円)とほぼ変わらないんですよね。 中央値は企業の時価総額を大きい順に並べて真ん中に当たり、その市場の標準的な企業の規模を示しています。規模のばらつきを考慮せず1社あたりの時価総額を単純平均で比べると、プライムと欧米との差はさらに鮮明です。 プライムの1社あたりの時価総額は単純平均で求めると、約3950億円です。ニューヨーク証取(約1兆8千億円)、ナスダック(約1兆9千億円)の5分の1程度です。米国は約3兆ドル(約340兆円)のアップルを筆頭に、マイクロソフト、アルファベットなど巨大企業がひしめき、全体を押し上げますが日本はトップのトヨタ自動車でさえ37兆円で、規模で突出する企業も少ないです。 運用規模の大きい海外投資家にとって、時価総額で5000億円程度が投資対象の最低ラインです。プライム企業の1社あたりの時価総額は中央値でも単純平均でもこれを満たさないんですよね。 時価総額が小さいためグローバル投資家が運用指標として使うMSCI世界株価指数(ACWI)から除外される日本企業は相次ぐようです。 21年はヤマダホールディングスや久光製薬、東北電力など40銘柄以上が4000億~5000億円とみられる時価総額基準を下回り、構成銘柄から外されています。 日本で小粒な企業が多い要因の一つは、デジタル化の遅れですね。米国の「GAFAM」のように社会や経済のデジタル化をけん引する企業が見当たらないですし、さらに土台となる日本経済の低迷や保守的な経営者マインドなどにも原因があると指摘する専門家は多いです。 東証には毎年100社程度が新規上場しているが、最近は高成長を遂げる企業が少ない。2000年以降に新規上場した企業(約2200社)で21年末時点で上場するのは約1670社。このうち時価総額1兆円以上はエムスリーや楽天グループなど1.2%(20社)にとどまる。と日経新聞でも言っています。 一方、同期間に米国市場に新規上場した米企業で21年12月末時点で上場するのは約3200社。このうち8%が時価総額100億ドルを超える。テスラやネットフリックスなどが高成長を続けます。 日本の差は埋まらないですね。 以上、マグロでした。 Twitterで最新情報や新規ブログニュース情報を発信しています。 フォローして頂けると励みになりますので、宜しくお願い致します。 Twitter Tweets by bdizYEnbtpyZJy3 研究ブログ【コラム】#408 研究ブログ【国内相場】#281