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研究ブログ【コラム】#390

こらむ・マグロ所長

中国製5Gルーター分解 通信半導体内製で消えた米企業

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中国製5Gルーター分解 通信半導体内製で消えた米企業

 

 

 

どうも、こんにちは。

 

 

 

マグロ所長です。

 

 

 

さて、2020年に発売された中国製の家庭用の高速通信規格「5G」機器を分解したところ、内製化率が4Gモデルから20ポイント以上増えて約5割になったことがわかりました。

 

 

 

米中対立で5Gの主導権争いが続く中、米国製で占められていた通信用半導体部品の大部分が内製化されていますね。大型の基地局でも重要な部品となっており、米国の部品からの置き換えが進むことで、テクノロジーの分断がより進む可能性が大いにあります。

 

 

 

ルーターの部品の価格を積み上げた製品原価に占める国・地域別比率の第1位は中国が約48%と、4Gモデルから20ポイント以上上昇しています。一方で、4Gモデルでは約3割を占め1位だった米国は1%以下になっています。

 

 

 

中国の比率の上昇と米国低下の理由は、アンテナが受信した信号を増幅する「パワーアンプ」や電波の種類を切り替える「アンテナスイッチ」などの無線通信の処理を担う半導体部品のほとんどが、米国企業から海思半導体(ハイシリコン)製になったたためと推測されています。

 

 

 

4Gモデルや当社が20年分解したファーウェイの5G基地局では米スカイワークスや米コルボなどの米国製部品が使われていました。

 

 

 

無線通信用の半導体は電波という「アナログ」な信号を取り扱うため、「0と1」しか扱わないスマートフォンやパソコンのメイン半導体などのデジタル半導体と比較して経験やノウハウが必要で設計が難しく、半導体の材料がガリウムヒ素のような一般的な半導体の材料であるシリコンではない場合、設計難易度はさらに上がるそうです。

 

 

 

フォーマルハウトの柏尾南壮ディレクターは「一般的な半導体と比べてF1と乗用車のエンジンほど設計の難易度が違う」と説明しています。

 

 

 

ガリウムヒ素の半導体はシリコンより高速動作できるため、5Gなどの通信用途で需要が増えていて、フランスの調査会社ヨール・ディベロップメントのグループ会社であるシステムプラスコンサルティングによると、今回のハイシリコン製の通信用半導体の一部がガリウムヒ素で作られているとのことです。

 

 

 

米中摩擦が激化するなか、中国政府はガリウムヒ素よりさらに高度な炭化ケイ素や、窒化ガリウムなどを用いた半導体の産業育成も進める見通しで製造まで内製化に成功した場合、テクノロジーの断絶はより深くなっていきそうです。

 

 

 

今後も米中のハイテク戦争については余談を許さないと思っていいとは思いますが投資対象としてはそこしかないのでガンガン行っていいと思いますね。

 

 

 

以上、マグロでした。

 

 

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