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研究ブログ【コラム】#310

こらむ・マグロ所長

ドイツの選挙と変化をみせるかどうか。

こらむ

 

 

 

ドイツの選挙と変化をみせるかどうか。

 

 

 

どうも、こんにちは。

 

 

 

マグロ所長です。

 

 

 

現在、ドイツでは国政選挙が行われていました。26日のドイツ総選挙で中道左派・社会民主党(SPD)が第1党になり、16年ぶりに左派主導の政権が現実味がでていきました。

 

 

 

だが政権基盤は弱く、内政を優先せざるを得ない状況です。長期政権を築いたメルケル氏が去り、ドイツがしばらく国際舞台から脱落する恐れがあるという点がリスクですね。

 

 

 

市場がどのように捉えるかという点です。社民党は現在、保守系キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)とメルケル政権で連立を組むそうです。「ショルツ首相」になるかは連立交渉次第だが、早くも南欧は歓迎ムードとのことです。

 

 

 

「ドイツが欧州統合の深化にかじを切るかもしれない」(コドーニョ元イタリア財務省チーフエコノミスト)との期待が広がるようです。

 

 

 

ただ、第1党とはいえ社民党の得票率は約25%にすぎず、40%を超えた以前の勢いは内容です。社民党が首相ポストを握ってもガラス細工のような連立政権になる恐れがあります。

 

 

 

メルケル時代は「ドイツ1強」の黄金期だったが、経済の先行きはコロナ禍で不透明です。

 

 

 

外交に振り向ける政治的余力がなくなる懸念があるとされています。

 

 

 

安全保障政策も波乱含みで、メルケル首相は欧州の外交・安全保障をけん引したが社民党には域外派兵への消極論や嫌米論がくすぶっています。

 

 

 

オーストラリアの潜水艦配備を巡り仏米が対立すると社民党のマース外相はフランスに寄り添った形です。

 

 

 

独仏主導の欧州軍構想が進むとの観測がある。「バイデン大統領との関係は良好だ」。26日夜、取材に応じたミドヤトリ社民党副党首は不安を打ち消すように語っています。

 

 

 

第2党に転落した保守系が政権を樹立しても状況はさほどかわらないでしょう。米国との絆は強固だが肝心の政権基盤は心もとない上にどちらが首相の座を占めたとしても弱い首相になり、国内を抑え込むという内向きの作業に忙殺される恐れがあリマス。

 

 

 

メルケル首相は遠心力が働きがちなEU加盟国の取りまとめ役として、欧州で危機対策に奔走しましたが、借金の肩代わりへのドイツ国民の抵抗感が強いなか、緊縮とセットだったとしてもユーロ危機で南欧を支援し、コロナ危機でEU復興基金を創設。これはメルケル氏に国内を掌握する力があったからです。

 

 

 

アフガニスタン問題などで米欧関係がきしみ、中国やロシアが強権化するなか、いまドイツがふらつけば欧州の歯車がまわらず民主主義陣営が不安定になる危うさがある。「弱いドイツ」は強権国家にはチャンスということですね。

 

 

 

以上、マグロでした。

 

 

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