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研究ブログ【コラム】#436

こらむ・マグロ所長

ソフトバンクGの決算まとめ あーあ承認おりねえええ

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ソフトバンクGの決算まとめ あーあ承認おりねえええ

 

 

 

どうも、こんにちは。

 

 

 

マグロ所長です。

 

 

 

投資会社化を進めるソフトバンクグループ(SBG)の戦略に狂いが生じています。8日には英半導体設計子会社アームの売却計画を断念すると発表しました。

 

 

 

当初見込んだ1兆円規模の資金化がなくなり、新規投資のブレーキになりかねません。2021年10~12月期決算は投資先企業の価値が減り、大幅な最終減益になりました。

 

 

 

「これ以上承認を得る努力をしても認められない」。8日のSBGの決算会見で孫正義会長兼社長はこう語っています。同日、アームの売却先だった米半導体大手エヌビディアとの契約解消で合意しています。

 

 

 

2020年9月に契約したものの、各国の独禁当局との交渉が難航しており、エヌビディア側から取引の断念を持ちかけたということでした。

 

 

 

SBGは16年に320億ドル(約3兆6000億円)でアームを買収し、エヌビディアとはアーム売却の対価として100億ドル超の現金に加え、エヌビディア株最大約8%を取得する契約を結んでいました。

 

 

 

取引総額は当時の株価に換算して約400億ドルでSBGは差し引き1兆円規模の投資リターンを得るはずでした。

 

 

 

中国リスクやインフレ懸念もSBGの経営を圧迫しています。21年10~12月期の連結決算(国際会計基準)は純利益が290億円と前年同期(1兆1719億円)に比べ98%減になっています。

 

 

 

世界の新興企業に投資するビジョン・ファンドで、米中の投資先企業の株価が大幅に下げたことが響いています。

 

 

 

SBGが最重要の経営指標と位置づける時価純資産(NAV)も減少しました。SBGの投資先の株式価値から単体の純有利子負債を差し引いて算出します。中国アリババ集団の株安を主因に、21年12月末時点のNAVは19.3兆円と9月末から約8%減っています。

 

 

 

投資会社であるSBGにとって、保有株の資産価値は財務リスクに直結するため保有株式に対する純有利子負債の割合を示す負債カバー率(LTV)は12月末時点で22%と9月末の19%から上昇しています。

 

 

 

平時で25%未満に抑える自社ルールをもうけており、これに近づきつつあります。

 

 

 

今後は「利上げ相場」の逆風も強まりそうです。SBG単独の有利子負債は約14兆円もあります。このうち4割強は保有株を担保にした借り入れです。

 

 

 

社債発行を含めた年間の利払い負担も約2400億円にも及びます。金利上昇と株安につながる世界的な利上げ相場は保有株の価値縮小と調達コスト増の両面でSBGの打撃になります。

 

 

 

年明け以降は株安の影響で、孫氏もビジョン・ファンドの投資が「昨年よりも金額や件数が減ってくる可能性はある」と明かしています。

 

 

 

SBG株は昨年高値から約5割安い水準にあります。

 

 

 

債務不履行(デフォルト)のリスクをやりとりするクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)でSBGの保証料率(5年物)は3%台まで上昇し、今後が大変です。

 

 

 

以上、マグロでした。

 

 

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