こらむ 研究ブログ【コラム】#304 こらむ・マグロ所長 恒大振り返り。実際にどういったことが起きたのか こらむ 恒大で習近平さんの対応はどうするのでしょうか。9/22現在 どうも、こんにちは。 マグロ所長です。 今話題にでている恒大ですが、経営不安への対応に苦慮しています。中国の格差問題の是正をめざして富裕層たたきをする中で、巨大企業グループの救済には安易に踏み込めないということです。 金融危機の引き金を引けば、2022年秋の党大会で習氏の3期目の続投にも響きかねないといった背景もにじませます。 中国共産党の機関紙、人民日報は21日付の1面で恒大集団に一切触れなかったのはめちゃくちゃ大きいですよね。 習指導部が静観するのは格差是正へ「共同富裕(ともに豊かになる)」のスローガンを掲げたことと無関係ではないということですね。富裕層からの所得再分配を強化し、貧困層を引き上げるとともに中間層を分厚くする構想ですが、その実現へ規制を強めるのが富裕層の投機対象になりやすい不動産でした。 中国では昨年、新型コロナウイルス対応の金融緩和で不動産価格が高騰しました。不動産シンクタンクの易居不動産研究院によると、中国主要50都市の不動産価格は20年時点で平均年収の13倍と、15年の10倍から跳ね上がった計算です。 価格高騰で都市部の生活コストは高止まりし、市民は不満を募らせていて金融危機の回避を優先して恒大を支援すれば、習指導部は結局、不動産投資でもうけてきた富裕層を守るのだと国民に受け取られかねないというリスクもあるわけですね。 残念ながら、習近平さんは動きづらい状況になっているわけですね。 投機の過熱を警戒した中国当局は昨年夏に不動産業界の資金調達規制を導入、住宅ローンの総量規制などで消費者のマンション売買も制限しました。不動産会社は金融機関からの資金調達も売却による回収も難しくなり、資金繰りが急速に悪化したわけです。 中国工商銀行の不動産向け不良債権比率は6月末に4.29%と前年同期の1.41%から急上昇しています。 市場関係者は「広東省の国有企業などが資本支援に乗り出すとしても、恒大が非中核資産の売却を終えてからだ」とみています。金融当局が窓口指導を通じて恒大への売掛債権を持つ建設会社などの資金繰りを支えるなどの方策はありうるが、市場の不安解消にはほど遠いです。 33兆円近くの債務がありますので今後はこの部分に対して、中国政府が恒大にできることは予測できる範囲でしかないかもしれません。 中国政府もリーマンのようなことはしたくないでしょうし、リーマンよりも金額は低いかもしれませんが、これを機に中国企業が倒産するようなことを引き起こしはしないでしょうしね。 以上、マグロでした。 研究ブログ【国内相場】#211 研究ブログ【国内相場】#212