こらむ・マグロ所長
SDGsの目標2「飢餓をゼロに」とは?概要や取り組み事
SDGs(エスディージーズ Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)とは、2001年に策定されたMDGs(ミレニアム開発目標)の後継のもので、2016年から2030年までの国際目標です。2015年9月に国連サミットで取り上げられました。
SDGsは2030年までに、持続可能でより良い世界の実現を目指します。17のゴールと169のターゲットから構成され、全人類が取り組むべき普遍的な目標です。
本記事では、目標2「飢餓をゼロに」についての概要や取り組み事例、今後の課題などを解説します。
国連開発計画によると、「2030年までにあらゆる形態の飢餓と栄養不良に終止符を打ち、子どもや社会的弱者を始めとするすべての人が、1年を通じて栄養のある食料を十分に得られるようにすることを狙いとしています。」とあります。
この目標達成のためには、農家の生活と能力を向上させたり、土地や技術、市場へ誰もがアクセスできる環境を与えたりして、持続可能な農業の指導をしなければなりません。また、国際協力のもと農業生産性を改善することも必要です。
現在でも飢餓で苦しむ国や地域があります。特に子どもが飢餓になると、成長が遅れたり早くに命を落としたりするため、その国や地域の発展の遅れにもつながっています。この状況を改善するべく、目標2「飢餓をゼロに」が策定されました。
飢餓が起こりやすい「自然災害」や「紛争」が多発する地域を中心に、食料を確保する貯蔵庫や農業技術の向上が求められます。先進国が途上国にノウハウを伝えて、持続可能である農業の仕組みを構築することが必要です。
安定的で持続可能な農業が途上国に浸透すれば、そこで働く人たちの収入にもつながるため、好循環が生み出せます。
「飢餓」とは必ずしも食糧不足だけでなく、低栄養の状態も含まれます。このことからキューピーは「高齢になっても元気で過ごせるように、健康寿命を延ばす」ことに貢献しています。具体的には、サラダ(野菜)と卵を中心としたさまざまな食の提案です。
また、食品メーカーとして食資源を有効活用するために卵の殻を100%リサイクルしたり、持続可能な農業支援をおこなったりしています。
実は日本でも相対的貧困層を中心に飢餓に苦しむ国民がいます。相対的貧困とは、貧困線(2018年は127万円)に満たない所得で生活すること。2018年の相対的貧困率は15.4% で、国民の約6.5人に1人が年127万円未満の所得で生活していることになります。そのなかには飢餓で苦しむ人たちが一定数いると推測できるのです。
日本で飢餓に苦しむ人たちを企業や個人が直接助けることは難しいかもしれません。ただ、飢餓が広がる社会を防ぐためにできることはあります。
たとえば日本では、安全に食べられるのに流通に出せない食品を施設や団体、困窮世帯に無償で提供する活動をおこなったり、フードシェアリングサービスを展開したりする企業があります。このような活動が、食料を社会の隅々まで行き渡らせるセーフティネットとして機能すれば、飢餓で苦しむ人たちを救うチャンスも増えるでしょう。
飢餓を防ぐための行動は、個人では限界があります。各国政府、市民、そして民間企業が力を合わせて投資と技術革新を行う必要があります。
飢餓のない世界を実現するにはまだ長い道のりがあります。飢餓と栄養不良をなくすことは、全人類にとって大きな課題の1つです。
十分な食事をとれなかったり、質が悪かったりすると、人々の健康状態が悪化するだけでなく、教育や雇用などの発展を遅らせることにもなります。
私たちも普段から「自分にできること」を実践していきましょう。
以上、マグロでした。