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研究ブログ【コラム】#218

こらむ・マグロ所長

銅の採掘方法とは?都市鉱山では有数の資源国である日本!

どうも、こんにちは

 

マグロ所長です。

 

私たちの身近にあふれている銅。10円玉や銅メダルなど、誰もが思いつくもの以外にも銅はたくさんの場所で使われています。

そんな銅はどのように採掘され、どのように使われているのでしょうか?本記事では、昔の採掘方法や現在の都市鉱山からの採掘などについて解説します。.

 

鉱石は、地表に近いところに存在する場合と、地下深いところに存在する場合があります。地表に近い場合は地表から掘り、不要な岩石を取り除いて鉱石を採掘します。これは露天掘りという採鉱法です。通常は容易に鉱物を発見できる露天掘りから始めます。

一方、地下深くに銅がある場合は坑道を垂直に掘り下げます。その際坑道にある有害性のガスや湧き出てくる水の排除などの保安作業も必要です。その後、地下坑道で採掘された鉱石を地上に搬出します。これは坑内堀といわれます。

採掘時は直径2cm、深さ1.0~1.8m程度の穴を数多く掘り、これに火薬を詰めて爆発させ、鉱石を採取するのが一般的です。

採掘された鉱石は鉱車に積み込み坑道へ運ばれます。それからエレベーターで巻き上げ、坑外へ送るのです。鉱車の牽引には、主に蓄電池式の機関車が使用されますが、多くの鉱車を牽引する場合は電気機関車も使用されています。

ちなみに昔は銅鉱山という銅を産出する鉱山が国内にいくつかありましたが、掘りつくしてしまい現在は残っていません。そのため、外国の銅鉱山で銅鉱石を掘り出して日本まで運んでいます。

 

資源を有効活用する方法として、現代では都市鉱山からの鉱物採掘に力が注がれています。

ここでは、都市鉱山とは何か、都市鉱山からどうやって採掘するのかなどについて解説します。

 

使用済みの小型家電(スマートフォンやパソコン、デジタルカメラなど)には金・銀・銅やレアメタル(希少金属)が含まれています。このことから、都市にある鉱山という意味で「都市鉱山」と呼ばれています。

日本では1年間に約65万トンの小型家電が廃棄されていますが、その中には844億円分もの金属が含まれているそうです。

その膨大な量の金属は必ずしも全部使えるわけではなく、資源として利用できる金属はもっと少なくなります。

都市鉱山はリサイクルで回収されるため、環境破壊につながりかねない鉱山の採掘と違って、環境へ与える影響が少ないのも特徴の1つです。

h3 都市鉱山からの採掘方法
都市鉱山の中でも特に価値が高いのがパソコンやスマートフォン、テレビなど使用済みの電子機器から取り出した廃基板です。その廃基板を回収し、製錬してリサイクルします。使用済みの電子機器をリサイクルすることで、鉱物の輸入量を減らせるのです。

実は日本の都市鉱山には、世界全体の埋蔵量の5%前後にあたる量の銅や鉛が眠っています。国内では、三菱マテリアルのリサイクル処理能力が世界最大規模といわれており、その処理能力は実に年間16万トン。主に金・銀・銅を抽出しています。

都市鉱山事業の本格化に向けて、採掘を海外にも拡大する動きがあります。すでに世界でも金属のリサイクル事業への注目度は高く、廃基板などの奪い合いはさらに過熱する見通しです。

h3 日本は都市鉱山の宝庫である
日本は国産資源のない国で知られていますが、都市鉱山でいうと世界有数の資源国といえます。また、鉱物資源のほとんどを輸入に頼っていて、輸入した資源を加工し貿易をおこなうのが得意です。

銅に関して、世界の天然資源国の量と日本の都市鉱山の量を比較すると、日本は世界2位です。日本にはそれほどの資源が眠っていることになります。

日本は、未利用であるこの大量の資源を活用しなければなりません。都市鉱山から金属資源を回収してリサイクルする仕組みを確立し、運用することが必要不可欠です。

 

日本はチリ、ペルー、カナダ、インドネシア、オーストラリアなどから銅を輸入しています。国内にも鉱物資源がないわけではありませんが、産出量が少なかったり環境問題につながったりすることなどから、ほとんどを輸入に頼っている状況です。

 

銅は私たちの生活の中でなくてはならない存在です。その銅について採掘方法から解説しました。

限りある資源を大切に使い、これからは環境保護も視野に入れなければなりません。そのために、都市鉱山の宝庫である日本は鉱物資源のリサイクル技術を今後も高めていく必要があるでしょう。

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