研究ブログ【コラム】#214
こらむ・マグロ所長
アップサイクルとは?家庭&世界企業のアップサイクル実例7選
廃棄する物をより魅力的な物につくり変えて再利用する「アップサイクル」が世界中で熱いブームになっています。特にファッション、デザイン、プロダクトの分野で注目されていますが、家庭でも手軽にアップサイクルはできるのです。
本記事では、アップサイクルと3R(リデュース・リユース・リサイクル)の違い。そしてサステナブル(持続可能)な社会実現のために、家庭の不要物を蘇らせるアイデアと世界の実例を合わせて7選紹介します。
アップサイクルと3R(リデュース・リユース・リサイクル)の違いとは?
アップサイクルは、不要になったものを再利用する、ものを大切にするという点ではリデュース・リユース・リサイクルと変わりません。それでは一体どこが異なるのでしょうか?これからそれぞれの違いについて説明します。
リサイクル
1度資源に戻し、新たな製品を作ること。例えば、古紙からトイレットペーパーやティシュペーパー。ペットボトルは、卵のパックや文房具に生まれ変わります。
ただし、再生のために資源に戻すには膨大なコストがかかる。燃料など他の資源が必要になり環境負荷が大きいといったマイナス要素もあります。
リデュース
製品を作る時に使う資源の量やゴミの発生を少しでも抑えること。例えば、ビール瓶やシャンプーボトルを洗浄して再び使ったり、マイバッグを活用するなどがリデュースです。
リユース
すでにある製品や部品を繰り返し使うこと。例えば、フリマアプリなどで古着を次の利用者に譲るなどがリユースにあたります。
アップサイクル
不要な物をゴミとは考えずに、アイデアやデザインを加えて需要を生み出す循環システム。つまり、廃棄物の素材や特徴を生かし、可愛いものやカッコイイものにアップグレードすることです。リサイクルやリユースの上をいく再利用となります。
逆に価値が下がってしまう場合は「ダウンサイクル」ですが、破棄して埋め立てるよりははるかに良い選択だと言えるでしょう。
使い捨てストップ!家庭でもできるアップサイクル実例4選
今日は廃材だった物が明日は宝物になっているなんて素敵ですよね。これから、普段の生活の中でもできるアップサイクルの実例を紹介します。ぜひアイデアの参考にしてみてください。
デニムから雑貨へのアップサイクル
サイズが合わなくなったり流行遅れになったデニムをぜひ有効活用しましょう。リサイクルバッグやPCケース、またウォールポケットにして文具や工具類を収納するのもいいですね。
デニムは加工がしやすく丈夫で使うほどに味が出るので、アイデア次第で様々なおしゃれアイテムに変わります。ミシンを使わずに布用ボンドでも作れますので、ぜひチャレンジしてみてください。
セーターやニットからあったか小物にアップサイクル
毛玉になったり、引っ掛けたりして着られなくなってしまうことも多いセーターやニット。レッグウォーマーやあったか靴下、ルームシューズや帽子などに活用できます。
またセーターを切ってダンボールに接着剤で貼り付ければ、インテリア性も高いモコモコ収納箱が出来上がりますよ。
ランドセルから革製品小物へアップサイクル
6年間の思い出が詰まったランドセル。子供も親も愛着がありますよね。クローゼットの奥に眠らせておく、ましてや捨てるなんて勿体ない。
財布やペンケース・手帳ケース・印鑑ケース・時計などにアップサイクルして、成人祝いにプレゼントすればお子さんに喜ばれることでしょう。
世界のアップサイクル3選
世界の有名ブランドやアップサイクル開発するスタートアップ企業がアイデアを駆使して、廃棄物を価値あるものへと変換させる取り組みを行っています。
- 日本の首都高速道路
横断幕を実用性と耐久性に優れ、デザインも個性的なトートバッグに
- フランスのプライターグ(FREITAG)
車のシートベルトやタイヤのゴム・荷台のカラフルなホロ(防水布)などでスタイリッシュなバックやポーチなどに
- アウトドアブランド・パタゴニア(Patagonia)
損傷が酷く修復不可能なパタゴニア製品の古着を、ReCrafted製品として10,000枚以上ものウェアを作り出しています。
こうして見てみると、この世の中にはゴミなど1つも無いように思えてきますよね。彼らのとどまることの無いアイデアに脱帽です。
まとめ
本記事ではアップサイクルと3R(リデュース・リユース・リサイクル)の違い、そしてアップサイクルの実例を紹介しました。
廃棄物からバックや小物を作ったり着ない洋服にデザインを加えたりとアイデアと工夫で生まれ変わる楽しさを知り、そして真剣に未来を見つめる大切さを改めて考えさせられたのではないでしょうか。
ゴミを減らすことは年々深刻になる環境問題を解決する一助にもなります。地球の未来のためにもインテリア業界やアーティストだけでなく、1人1人がアップサイクルに取り組んでいきたいものです。