こらむ・マグロ所長
銅相場・資源相場の上昇とそれに伴う製造業の仕入原価上昇、今後の立ち回りや製品価格転嫁について、経済の行き先、スーパーサイクルから脱線している可能性など、どうなるかの仮定予測やパターン VOL2
続きです。
今回は新興国の急成長ではありませんが、脱炭素というキーワードとエネルギー転換が主な理由になります。
新興国だけでなく、世界が同じ方向で動き出しました。ともなればみんなが同じものを必要とすれば限りある資源であれば想像がつくと思います。
供給不足となり、単価は上がる。それは脱炭素ということで長期のトレンドである以上、今回の銅も長期で必要になるわけですね。
そして、脱炭素として世界が動き出したきっかけはパリ協定です。パリ協定は2015年にフランスのパリで採択された気候変動抑制に関する多国間の協定です。
このパリ協定はスーパーサイクルというものでは収まらないと考えられます。そもそもスーパーサイクルでは周期は10年程度ですがこのパリ協定では将来に対して二酸化炭素などの地球温暖化対策として減らしていく仕組みです。
日本で言えば2045年までにこうしたいということでだいぶ先になります。世界を見ても似たようなものです。
中国で言えば2030年にはすべて電気自動車に替えるという目標があります。アメリカも同様に2045年を想定しています。
つまり今の銅の上昇はスーパーサイクルという一言では片付けられないということです。
むしろそれ以上の相場を築き上げる可能性を秘めています。むしろまだ始まったばかりの相場と言っても過言ではありません。
メーカーからすれば在庫があるうちは単価の変更はありませんが、仕入れで現在の1トン110万円から118万円で推移していれば必ず製品に転嫁されると思います。
仕入れの工程でどこかを削ればなんとかなるというものではありません。今回の値上げはそれだけ歴史的な上げであり、対応も早急に迫られています。
実際にどのようにすればいいのかということですが銅についてはこの値段がデフォルトであるということで行かなければ前の数字に引っ張られると痛い目を見そうですね。
今後については今の単価についてはまだ期待のほうが大きいと見ています。つまり期待に先行して上昇していて、実需がまだ追いついていないというところでしょうか。
ですが、これから確実に来る銅を大量に必要とするときには現実で銅がこれだけ必要ということで期待から現実にシフトしていきます。
そして、現実にシフトしてから今の必要量から再度次の期待に移っていき、上昇サイクルを形成すると思います。
スーパーサイクルとは違い、もっと長期間に渡ってこれが継続することが考えられるので単価は今がピークでは無いと言うことでしょうか。
経済としては商品の相場の展開としてここまで大きな動きを形成する展開はありませんでした。脱炭素が長期のトレンドである以上、必要な原材料である銅は上昇が止まらないと思いますね。
最悪、それが嫌なのであれば銅を使わない新しい技術を作り出す、もしくは待つ、銅に変わる素材が出てくる、銅鉱山を開拓する等あります。
それらは現時点では現実的ではない以上、銅の値段が上がっていく様を楽しんで行きましょう。wwww
以上、マグロでした。